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これを打開するために91年の春頃から、各行は新短プラをベースにした新しい長期プライムレートを導入し、金利リスクのヘッジに努めた。 しかしすでにある住宅ローンなどの膨大な固定金利長期貸出金の金利の決め方をあとから変更することは許されない。

このとき金利リスクをヘッジするには二つの方法が考えられる。 一つは債権の売却あるいは流動化であり、もう一つは長信銀などと金利スワップ契約を結んで都銀が固定金利を支払うかわりに変動金利を受け取ることである。
後者のスワップにより大多数の都銀は長期固定貸出のヘッジを行った。 これで預貸金については金利ギャップ(期間別運用調達のミスマッチ)がほぼ埋まり、防御的ALMは最終段階に入った。
しかし、これでALMが一段落したわけではなかった。 運用と調達はヒモ付きになっているわけではないので、金利ギャップはつぎつぎと新たに発生し、ALM担当部はつねにその対策を講じなければならない。
例えば、先行き金利が低下すると予想すれば固定運用・変動調達のポジションは調達金利が先に下がって利ザヤが稼げるので、わざわざ閉じる必要はないが、その逆であればそのポジションは早急に閉じなければならない。 このように金利の先行きを見通して特定のポジションをもって収益を狙うのはディーリングである。
ディーリングなら厳密な限度管理やロスカット(一定金額以上損が出れば損を実現して手仕舞う)ルールで他の資産との線引きが行われているが、ALMでそんなことをすれば銀行のバランスシート全体を使って金利変動に賭けることになるので危険だという考え方もある。 しかし90年代の前半は長短金利の低下がほぼ一貫して続き、思い切った対応をとった銀行とそうでないところでは収益面でかなりの差が出た。

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